Magnus Öström “Thread of Life” (2011-02-25)
- Prelude
- Piano Break Song
- Longing
- Afilia Mi
- Weight of Death
- Ballad for E
- The Haunted Thoughts and the Endless Fall
- Between
- Hymn (for the Past) Part I
- Hymn (for the Past) Part II
リーダーの突然の事故死により惜しくも解散してしまった瑞典産ピアノトリオEsbjörn Svensson Trioのドラマーによる1stソロアルバム。
試聴公開時から非常に期待大だったのですが、届いてみたらやはり素晴らしい作品でした。
聴いてまず耳に残るのは、e.s.t.の楽曲にも多大な貢献をした無駄な揺らぎのないタイトなドラム。ジャズの領域にありながら直線的なスピード感に満ち、所謂フュージョンとも一線を画した緻密なリズムは彼の真骨頂のひとつでありましょう。e.s.t.はトリオ編成による音の層のシンプルさがモノクロ的な美しさと緊張感を演出していて素晴らしかったのですが、本作はギターやヴォコーダーを導入し楽器の種類が増えたことで随分と表情が変わった感触です。
妖しげなイントロ#1に導かれて始まる#2は”Behind the Yashmak”の流れを汲む人力ドラムンベース的な曲。カッチリと刻まれるリズムの上を縦横無尽に駆け回るギターと後半のダイナミックな展開が格好いいです。#4はハンドクラップとヴォーカル 1がフィーチャーされ、どことなくオリエンタルな雰囲気も非常にPat Metheny Groupっぽい曲。スローな#5はリヴァーブの霧が深く立ちこめる空間に煌めくピアノ、幻想的なヴォコーダーと宇宙を思わせるサウンドエフェクトが散りばめられ「ワイドスクリーン版From Gagarin’s Point of View 2」とでも呼びたくなる名曲。一転してアコースティックな#6にはe.s.t.時代の盟友Dan Berglundがベースで、Pat Metheny 3がアコギでゲスト参加。#7はもはやロック。穏やかな2曲に挟まれ、短いながらも強烈なアクセント。#9, #10は静かに始まり、たっぷり18分半を使って音の壁を練りあげていくクローザーです。
70分超の大作でありながら、曲ごとの個性がはっきりしているので途中でダレることもなくスムースに聴き通せると思います。初ソロ作品であり全曲が自身による作曲、さらにセルフプロデュースでこの完成度。今後に期待せざるを得ません。
Esbjörn Svensson Trioのファンのみならず、Pat Metheny GroupやJaga Jazzistあたりがお好きな方にも強くオススメしたい逸品です。


コメントはまだありません。